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お知らせ・コラム

角膜内皮細胞について

日本眼科学会認定

眼科専門医 加藤光男

 

今回は、特にコンタクトレンズを使用している方に知ってもらいたいお話。「角膜内皮細胞」についてです。

今では、多くの方がコンタクトを装用しています。レンズのタイプもどんどん新しいものが登場して、患者さんのニーズに応えやすくなってきたと感じます。その中で、レンズを長時間装用している方も増えてきています。毎日朝起きてから夜眠るまでずっと着けている方は珍しくなく、1日タイプを一週間以上も装用する、眼科の処方箋なく粗悪なカラーコンタクトレンズを購入する…など、乱暴な使用も目立ってきています。

 

長時間の使用や誤ったレンズの装用は、眼の乾き、角膜の傷、結膜炎など様々なトラブルに繋がります。これらのトラブルは痛みや違和感などの自覚症状があるため気がつきやすいのですが、ここでもう一つ、「角膜内皮細胞」の減少についてもお話しておかなくてはなりません。

 

角膜内皮細胞とは、5つの層からできている角膜の一番内側にある細胞です。呼吸や代謝の役割をしていて、角膜の透明性を保つ働きをしています。角膜の透明性が失われると、眼の奥に光が届きにくくなり、見えにくさや視力の低下をまねきます。角膜は、血管が無い代わりに、角膜内側にある“房水”や涙などから栄養分を取り入れています。角膜内皮細胞は房水の栄養分を角膜に行き渡らせる大切な役目も果たしています。

 

この角膜内皮細胞が、レンズの長時間使用や誤った装用方法によって酸素不足に陥り大きなダメージを受けます。そして、この細胞は一度死んでしまうと再生できない特別な細胞です。通常、角膜1ミリ平方あたり2500個以上あることが望ましいのですが、2000個を下回っている方もいらっしゃいます。1000個を切ってしまうと、いよいよ透明性を保てず、白く濁ってきてしまいます。治療は、角膜移植しかありません。他にも、角膜内皮細胞は手術による侵襲(ダメージ)でさらに減少するため、細胞の数が少ないと、将来、白内障手術など必要な手術が受けられないこともあります。

 

コンタクトとの付き合い方をこの機会にぜひ見直してみてください! 週に何回かメガネの日を作る、帰宅したらすぐ外す…など小さな見直しが目の健康を守ります。不安なことはお気軽にご相談くださいね!