目のちしき箱

ひらばリンク(eyeのプチ診療室)

ドライアイ

 さて、今回のテーマはこの時期恒例の「ドライアイ」。ただの“目の乾燥”と思われがちですが、実は奥が深い?病気です。
 意外かもしれませんが、実はドライアイと診断される方の中で、「乾き」を訴えて来院される人は少ないです。「最近目が見にくくなった」「充血がひどい」「目が疲れやすくなった」「コロコロ、しょぼしょぼする」…このような症状を感じて来院される方の中にも、ドライアイと診断される方が多く見られます。見にくさと疲れ目を例にしてお話ししましょう。
 パソコンなどをじっと見ていてまばたきが減ったり、直接エアコンにあたったりすると目が乾きます。すると角膜の表面を覆う涙の“安定性”が悪くなってしまい、角膜の表面に乾いている所とそうでない所のムラができます。その結果、見え方の質が低下し、見づらさを感じます。この状態が続くと、疲れ目につながるのです。何となく想像できるでしょうか?
 またドライアイがひどくなってくると、角膜に傷がついたり、結膜が炎症を起こしてしまうことも。様々な症状が重なると、ドライアイの治療は単純ではありません。生活習慣にもかかわるので、治り方にも個人差があります。毎年気になる症状が表れる方は、早めに受診してくださいね。
 治療は、ドライアイの点眼薬や角膜保護剤、涙点プラグがあります。最近では、薬ではありませんが、目元専用の「オキュソフト」という拭き取りタイプのコットンシートもあります。まつ毛の根元を清潔に保つことで、目に必要な油分の分泌をきちんと促し、涙が蒸発しないようにします。
 一人一人にあった治療をご提案していますので、お気軽にご相談くださいね!

近視をすすめない ために

 まず近視とは、多くの方がご存知の通り、近くは見えるが遠くがぼやける、といった症状のことです。
 目の筋肉が緊張する(光を強く屈折させる)ことや、眼球が伸びてしまうことで、ピントを合わせる網膜(フィルム)に焦点が合っていない状態です。
 現時点ではまだ、伸びてしまった眼球(眼軸)を元に戻す方法や手術はなく、近視の根本的な治療はありません(レーシックなどの近視矯正手術は、近視の原因そのものを治すものではありません)。寝る前の目薬や目を休めることで、目の緊張を和らげ、近視の進行を少しでも抑制させることを勧めているのが現状です。
 そのような中、スマートフォンや携帯ゲーム機の普及もあり、近視の患者さんは確実に増えてきています。眼球が伸びることで、近視がゆくゆく治療困難な大きな病気にもつながることもわかってきました。
 眼科医が集まる各学会でもこのことはよくとりあげられており、近視の治療に関して研究・調査を進めています。現在までに発表されているトピックスの中でも注目されているのは、睡眠中に装着し、角膜のカーブを矯正するコンタクトレンズタイプの矯正器具“「オルソケラトロジー」による近視進行の抑制”です。オルソケラトロジーが、眼軸が伸びるのを抑える効果があることがわかりました。他にも、実用化はもう少し先ですが、近視抑制に直接結びつく点眼薬の研究・開発が活発に進められていることも発表されています。
 当院では、このような新しい情報を積極的に取り入れ、効能や安全性をしっかり確認した上で、診療に役立ててゆきたいと考えています。また気になるニュースがあれば、こちらでも紹介していきます!

白内障手術 〜両眼手術について〜

 白内障は、眼の中の水晶体が濁り、視力低下やかすみ、見えにくさがあらわれる病気です。加齢が一番の原因で、症状が進行すると、手術をするのが一般的です。手術は、濁った水晶体(レンズ)を、人工の水晶体に差し替えるというもので、見え方のバランスを考慮し、片眼のみの手術か、両眼の手術かを選択します。今回は、手術の進め方についてお話をしていきましょう!
 
 「両眼手術」と聞いたとき、どのように思われますか?「片眼ずつ日にちを分けて手術するのかな?」「両眼同時かな?でも同日に手術したら目が開けられなくなるのでは?」など疑問がわきますよね。
 少し前までは、片眼を手術してから日にちを空けてもう片眼を手術する流れが当たり前に行われてきました。しかし、両眼の手術が終わるまで、術前術後の眼の自己管理もきちんと続けなければならないことや、両眼の手術を終えるまで見え方に左右差があることがあります。その一方、片眼ずつ見え方や術後経過を確認しながら進められるという安心感もあります。
 最近では、両眼の手術を同時に行うことも増えてきています。手術自体が1日で完了しますので、時間がなかなか取れない方、術前術後の管理をなるべくわかりやすくしたい方に選ばれています。「両眼の手術をしたら、両眼の眼帯で目が見えなくなるのでは!?」と思われる方も多いのですが、片眼は透明の眼帯で保護しますので、目が見えなくなることもありません。ご安心を!
 片眼ずつでも両眼同時でも手術の流れやリスクは変わりません。ずっと前は切開する幅も大きかったためそれなりに慎重なリスク管理も必要でしたが、術式や術前・術後管理のレベルも日々進歩しています。当院でも、現在まで安全に手術・管理が行われているため両眼手術もしており、全体の半数近くの方は両眼手術を選択されます。とはいえ術前術後は、注意事項をしっかり守り、決められた目薬を忘れずに!
 どちらの方法が自分に合っているのかを、医師・スタッフと一緒に選びましょう。

こどものメガネ

 今回は、学校健診の結果が戻り始めるこの時期に話題となる「こどものメガネ」について、Q&Aでお答えします!

 Q.視力がいくつまで下がったら、メガネが必要なの?
 A.メガネは、視力の数値や年齢に関わらず、生活の中で見えにくさを感じたら掛けるようにします。とはいえ目安はあり、子どもの場合、学校では0.7〜0.8くらいになったらメガネを勧められます。しかし子どもはその〝見えにくさ〟というものが分からず、「見えにくい」とはほとんど言いません。目を細めれば見えてしまうので、余計言わないことがあるようです。
 ですから、お子さんが目を細めてモノを見るようになったら注意です!

 Q.メガネは見にくい時に掛ければいい?それとも一日中?
 A.基本的にはずっと掛けましょう。先の通り、子どもは「見えにくい」とは言い出しません。本人が不便を感じない限りメガネを掛けることは無いでしょう。そこで最初の1、2ヶ月、毎日1日中メガネを掛けることで、生活のなかで「見える」という感覚をしっかり覚えてもらいます。そうすることで、外した時に「見にくい」となるわけです。そうなったら、お子さんの判断に任せてOK!

 Q.最初に作るのは〝弱いメガネ〟が良いというのは本当?
 A.一概には言えません。例えば今が0.7〜0.8の子が1.0見えるメガネにしても余り差を感じないかもしれません。1.2〜1.5が見える程度の強すぎない楽なメガネがかけやすくて良いと思います。逆に、0.5以下の子が同じ1.2〜1.5が見えるメガネにすると、急によく見えるようになり、クラクラしてしまうことがあります。そのような場合は、まず弱めのメガネをつくり、最初の1、2ヶ月で0.8が見える世界に目を慣らし、そこから1.2〜1.5が見えるメガネに変える方法をとります。

黄斑上膜

 さて、今回は「黄斑上膜(黄斑上膜)」についてのお話です。
 眼の中には、眼球の大部分を占めるゼリー状の「硝子体」と呼ばれる組織があります。たんぱく質からできていて、眼球の外側を覆う強膜とともに眼球の形を保つ役割をしています。
 歳を重ねると、硝子体の水分が徐々に抜けてゆき、硝子体を包んでいる膜が縮み網膜からはがれます。その時にはがれた膜の繊維の影が映って、ゴミや虫の様なモノが視界に飛んでいるように見える「飛蚊症」を招くことがあります。これは、加齢にともなう現象なので、病気でもありませんし心配することでもありません。
 ところがそこで、はがれた硝子体の膜の一部が、網膜の中心(黄斑)に残ってしまうことがあり、その残った膜を「黄斑上膜」と言います。残ったばかりの初期段階では何も異常や自覚症状はありません。そのまま何もなければ気にする必要はありませんが、膜が残ったままの状態が、眼に異常を引き起こす場合もあるので注意しなければなりません。まれに、視力の低下やモノが歪んで見えたり、さらには、黄斑部に穴を開けてしまうことがあります(黄斑円孔)。
 飛蚊症を自覚したら、眼科を受診して下さい。膜がきれいにはがれているか、他の病気はないか、検査してみましょう。黄斑上膜であった場合は、治療は手術のみになりますが、進行はとても緩やかなので、焦らず、手術が必要かどうかも含めて、数年かけて様子をみていきます。