目のちしき箱

ひらばリンク(eyeのプチ診療室)

冬の夜空を見上げる前に…

 さっそくですが、星空を見上げた時、きらきらと光る空がとても広く感じた経験はありませんか?実はこの現象に、網膜にある視細胞の「錐体細胞・かん体細胞」の働きが関係しているのです。錐体細胞は、網膜の中心部分に集中している細胞で、色を感知し、視力(モノを見る力)に関わる細胞です。かん体細胞は、目の中心には無く周辺部分にある細胞で、光を感知しています。わたし達の目は、「見たいところは見えても、その周辺は見えにくい」ようになっています。それは先にお話した通り、錐体細胞が目の中心に集中しているからです。周辺部には数が少ないため、周辺がぼやけて見えてしまうのです。一方、かん体細胞は、光を感知している細胞なので、暗い空間で活躍し始めます。先にお話したように、かん体細胞は網膜の周辺に分布している光を感知する細胞です。鋭い方はもうおわかりですね?夜空(暗い空間)では周辺部分にあるかん体細胞が活躍するので、視界の周辺の星(光)までもがくっきり見えるようになるため、星空が広く感じられるようになるのです。「流れ星を探していたら、目線の先ではなく視界の端っこで見つかった」なんて経験がある方もいるかもしれませんね。これも、実はこんな細胞の働きが関わっています。ちなみに、かん体細胞は暗いところで働き始めるのに10分ほど、完全に働くまで60分ほどかかると言われていますので(個人差があります)、冬の星座観察は、少し前から外で準備しておくとよいかもしれませんね!目の働きっておもしろいなぁと思っていただけたら嬉しいです!

「飛蚊症」について

 さて、今回は「飛蚊症」についてお話します。
 「視界の中に黒い点や虫のようなものが見える」「薄い雲のようなものが見える」…。それは視線を動かしたときに、一緒に移動するように感じることもありませんか?このような症状を「飛蚊症」と呼びます。主に老化(加齢)にともなう現象ですので、ほとんどの場合は心配いりません。
 目の中には「硝子体」と呼ばれるゼリー状のかたまりが大半を占めています。9割が水分なのですが、老化が原因で硝子体の中の線維組織が壊れると、水分と線維が分離してしまいます。この時にできた線維のかたまりが網膜に映り、飛蚊症となって視界の中に表れるというわけです。これは、主に「生理的飛蚊症」と言って、治療する薬はありません。完全に消えることは無いのですが、慣れてくるとその存在に気が付かなくなります。近視が強い人は10歳代、20歳代から表れることもあります。
 ただし、まれに大きな病気の症状の一つとして飛蚊症があらわれることもあるため注意が必要です。網膜に穴が開いてしまう「網膜裂孔」、網膜がはがれてしまう「網膜はく離」、糖尿病や高血圧が原因の「眼底出血」などで、飛蚊症があらわれることがあります。
 「これって飛蚊症かな?」と気になる方はそのままにせず、他の病気のチェックもかねて、一度検診を受けてみるとよいでしょう。お気軽にスタッフまでご相談下さい!

こどもの立体視

 さて、今回は「こどもの立体視」についてお話します。
 みなさんは、モザイクをじっと見つめると絵やカタチが飛び出すように見える絵本を読んだことはありませんか?
 実はこのような絵本は、眼科で行う視機能検査の仕組みがもとになっています!その視機能検査は、写真のようなカードや本、メガネを使って、モノが立体的に見えているかどうかを検査する方法です。この検査では、両目で見たときに、頭のなかでそれぞれの目に入ってきた情報を正確に立体感があるものとして認識できているかどうかを検査します(立体視機能検査)。
 立体視は成長にあわせて発達します。生後3〜6ヶ月ほどでおおよその立体視機能が育ちはじめ、視力やピントを合わせる力(調節力)など様々な視機能を発達させながら、6歳頃に完成します。立体視機能を正確に完成させるには、他の視機能がきちんと発達していることが大切で、斜視や弱視が見られると、良好な視力や立体視は獲得できません。
 ここで試しに、少しの時間を片目で過ごしてみてください。だいたいの遠近感はつかめても、細かい作業は難しくないですか?立体視機能の大切さがよくわかると思います。そのほか、バスやトラックなどの大型免許を取得する場合も、良好な立体視機能が必要なんですよ。
 まずは、成長過程に応じた視力が発達しているかを観察していくことが大切です。両眼視機能の検査と視力検査は、早ければ2歳頃から受けることができます。3歳になれば3歳児検診がありますよね。3歳児検診を家庭で行う自治体もありますが、家庭ではどうしても正確な視力や立体視検査は行うことができません。健康で良好な視力、視機能の発達のためにも大切な時期なので、少しでも気になることがあれば、できるだけ早く眼科を受診してくださいね。
 当院では、視能訓練士が医師とともにしっかりサポートしますので、小さなお悩みもお気軽にご相談ください!

糖尿病性黄斑浮腫ってなに?

 さて、今回のテーマは「糖尿病性黄斑浮腫」です。糖尿病の治療中や疑いがある時などは眼科の受診をすすめられることがあり、糖尿病が眼の健康もおびやかすことはよく知られるようになりました。糖尿病が原因で血糖コントロールが悪くなり、網膜に栄養や酸素を運ぶ血管が出血したり詰まったりする「糖尿病性網膜症」が有名で、ひどくなると失明することもあります。
 今回のテーマ、「糖尿病性黄斑浮腫(以下、黄斑浮腫)」は、前出の糖尿病性網膜症の一種で、モノを見る中心部分の「黄斑」がはれる(浮腫)病気です。浮腫は、黄班部分に血液成分が漏れ出すことによって起こり、歪みや見づらさなど重度の視力異常があらわれます。
 治療には、特殊な注射による治療や、レーザーなどの外科的治療があります。注射による治療は、網膜内の血管から血液成分が漏れ出すのを抑えるものです。外科的手術は、浮腫や血液成分が漏れ出す部分に直接レーザーをあてて抑える手術です。どちらも浮腫を改善させ、視力回復をめざします。ただし、残念なことに視神経は一度痛んでしまうと元通りには戻らないため、早期発見・早期治療がとても大切です。治療にはお金や時間もかかりますし、腫れが引いても再発する可能性もあります。再発してしまうと、さらに視神経が傷んでしまいます。
 …と、ここまでお話しただけでとても怖い病気だとわかっていただけると思います。
 もし黄斑浮腫が表れてしまったら、どんな治療がベストなのか、じっくりと検査をし、症状を見極めて選択していきます。早期発見・早期治療が大切なのはもちろんですが、症状が表れてしまう前に根本の原因である糖尿病のコントロールをしっかりしていくことが何よりも大事です。気になることや心配なことがあれば、いつでも気軽に相談してくださいね!

 

IC( インフォームド・チョイス)

 さて、今回はインフォームド・チョイスのお話です。「チョイス?コンセントではないの?」と思われる方も多いと思います。インフォームド・コンセントという言葉はすでに多くの方がご存じで、『正しい情報を得た(伝えられた)上での合意』という意味があります。治療やお薬のことを、リスクや副作用も含めて患者さんが医師から話を聞き、自由な意思に基づいて治療方針に合意するということです。
 最近の医療の現場では、この「インフォームド・コンセント」とあわせて、「インフォームド・チョイス」という言葉が生まれました。医療技術が進歩するにつれ、新しい治療や、新しいお薬が増えてきました。眼科の現場でも、昔と比べると本当に様々な選択ができるようになりました。病気ひとつを例にしても、「手術はする?しない?」「どんな手術にする?」「いつ、どこでやる?」…など、患者さんの症状やライフスタイルに合わせた“オーダーメイド”の治療方法が選べるようになってきたと言えるでしょう。そのような意味での、“チョイス”なのです。
 大切なのは、「選択肢が多くありますよ」ということではなく、選択肢が多いのは良いことですが、正しい情報や知識をしっかりと理解した上で選択する、ということです。当院では、患者さんに正しく十分に理解していただくため、自分自身の身内のように親身に思い対応するよう心がけています。時には、ご趣味のお話や世間話も交えながら、患者さん一人ひとりにとって一番良い選択肢は何なのか、徹底して選ぶようにしています。安心しておまかせください。一緒に“チョイス”していきましょう!
 予約診療も行っていますので、どうぞお気軽にご相談くださいね。