目のちしき箱

ひらばリンク(eyeのプチ診療室)

眼の病気とおくすりのこと

 さて今回は「眼の病気とお薬」をテーマに進めていきます。
 早速ですがみなさん、初めて病院を受診するときや医師に飲んでいる薬を尋ねられたとき、正しく答えられていますか? なぜ聞かれるか、それは「飲み合わせてはいけない薬がある」ことは多くの方がご存知かと思います。
 しかし、それが異なる診療科目にも影響する話であることはあまり知られていません。
 例えば、緑内障の治療に使う目薬に、ぜん息や不整脈を患っている方には使うことができないものがあったり、白内障手術の際、前立腺のお薬を飲んでいる方は特に注意が必要な場合もあります。
 飲んでいる薬を聞かれたとき、(診療科目が違うから言わなくてもいいかな…)(飲んでいる薬が多いから、覚えているものだけ答えておけばいいかな…)なんて思っていませんか? しかし、眼科の病気と眼科以外の病気が関わってくることがありますので、自己判断はNGです! さらに眼科の病気の中には治療が長くかかるものもあるため、治療の途中で別の病気にかかってしまうこともあるかもしれません。そのような時も、速やかにお知らせしていただきたいです。
 普段から、自分が飲んでいるお薬のこと、持病など体のことは知っておきましょうね。そして、医師に正しく伝えることが大切です。
 このような時のためにも、やはり「お薬手帳」が役に立ちます。スマートフォン用のアプリ(電子版)もありますので、管理しやすい方法で記録していきましょう!

近視の低年齢化

 今回のテーマは「近視の低年齢化」。ここ最近、近視と診断される年齢がだんだんと低く、また近視の度合いも強くなってきています。早速話を進めてみましょう。
 はじめに、30歳以上の方で、メガネをかけたことがある、またはかけている方に質問です。はじめてメガネをかけたのは何歳のころでしょうか。きっと、早い方で小学校高学年からではないでしょうか。小学校低学年のころといえば、メガネをしている子が珍しくはなかったでしょうか。
 そんな時代を過ごした方が今、親になり子どもを持つようになり…子どもの就学時健診や低学年時の学校健診でびっくり!…お子さんが「近視」と診断されたというのです。
 このようなことは実際に起こっているお話で、園児が「近視」と診断されることもあります。自分たちが小さいころには珍しかった低年齢の近視が増えてきているのです。
 その原因として、やはりスマートフォン、携帯ゲームがあげられますが、それらをあまり使用していない子でも生活環境、生活習慣によって視力が下がってしまうこともあります。大人と同じで、近視になってしまったらやはりメガネは必要です。小さいころからメガネをかけさせることに抵抗を感じることがあるかもしれませんが、無理して遠くを見ようとすることは、かえって目に負担をかけてしまいます。楽に遠くが見えるようにメガネをかけることはとても大切です。
 子どもの視力検査では、正確な検査結果を得るために検者(視力を測る人)の高い技術が必要です。当院では、子どもの視力の専任スタッフ(視能訓練士)が検査を行いますので、安心しておまかせください!
 大人も子どもも気をつけたい近視。スマートフォン、見すぎていませんか?携帯ゲームにばかり夢中になっていませんか?普段の生活習慣を、一度親子で話し合ってみましょう!

「加齢黄斑変性」について

 早速ですが「加齢黄斑変性」とは、加齢が主な原因で、目の網膜にある「黄斑」と呼ばれる部分が障害を起こし、見たいものが歪んで見える、ぼやけて見えるなどの症状があらわれる病気です。40代頃から発症する方もいて、重度な視力低下をおこす危険性があるにも関わらず、まだあまり知られてはいません。
 皆さんは、テレビで図のようなものを見たことはありませんか?これは「アムスラーチャート」と言って、黄斑が正しいはたらきをしているかチェックしているものです。では黄斑、ってなんでしょう?
 私たちの目から入ってきた光は網膜の中心を通って刺激となり、私たちの脳へ伝わります。この網膜の中心を「黄斑」と呼んでいます。新聞を読むとき、追っている文字ははっきり見えても、新聞の四つ角など周辺部分はぼやけて見えていますよね?それは、ものを見る視細胞が黄斑部に集まっていて、周辺部には少ないからです。
 普段、私たちは両目でモノを見ているため、片目の違和感にはなかなか気がつきにくいものです。はじめに出てきたアムスラーチャートは、自覚症状を確認するために片目ずつ行う検査で、眼科ではよく行われています。また、網膜の状態をより精密に検査するOCTという検査機器も普及してきました。もちろん、当院でも使用しています!
 残念ながら、一度障害がおこった視神経は回復することがなく、加齢黄斑変性の治療方法はあっても完治することはありません。発症リスクを減らす方法のひとつに、ルテインというサプリがあります。普段の食生活では、ホウレン草やブロッコリーなど抗酸化作用のある食事と併せて、サプリと上手に付き合うことも良い方法です。
 40歳代を迎えたら、加齢黄斑変性だけでなく、白内障や緑内障の発症率も高まります。半年に1度を目安に、定期検診をしましょう!

冬の夜空を見上げる前に…

 さっそくですが、星空を見上げた時、きらきらと光る空がとても広く感じた経験はありませんか?実はこの現象に、網膜にある視細胞の「錐体細胞・かん体細胞」の働きが関係しているのです。錐体細胞は、網膜の中心部分に集中している細胞で、色を感知し、視力(モノを見る力)に関わる細胞です。かん体細胞は、目の中心には無く周辺部分にある細胞で、光を感知しています。わたし達の目は、「見たいところは見えても、その周辺は見えにくい」ようになっています。それは先にお話した通り、錐体細胞が目の中心に集中しているからです。周辺部には数が少ないため、周辺がぼやけて見えてしまうのです。一方、かん体細胞は、光を感知している細胞なので、暗い空間で活躍し始めます。先にお話したように、かん体細胞は網膜の周辺に分布している光を感知する細胞です。鋭い方はもうおわかりですね?夜空(暗い空間)では周辺部分にあるかん体細胞が活躍するので、視界の周辺の星(光)までもがくっきり見えるようになるため、星空が広く感じられるようになるのです。「流れ星を探していたら、目線の先ではなく視界の端っこで見つかった」なんて経験がある方もいるかもしれませんね。これも、実はこんな細胞の働きが関わっています。ちなみに、かん体細胞は暗いところで働き始めるのに10分ほど、完全に働くまで60分ほどかかると言われていますので(個人差があります)、冬の星座観察は、少し前から外で準備しておくとよいかもしれませんね!目の働きっておもしろいなぁと思っていただけたら嬉しいです!

「飛蚊症」について

 さて、今回は「飛蚊症」についてお話します。
 「視界の中に黒い点や虫のようなものが見える」「薄い雲のようなものが見える」…。それは視線を動かしたときに、一緒に移動するように感じることもありませんか?このような症状を「飛蚊症」と呼びます。主に老化(加齢)にともなう現象ですので、ほとんどの場合は心配いりません。
 目の中には「硝子体」と呼ばれるゼリー状のかたまりが大半を占めています。9割が水分なのですが、老化が原因で硝子体の中の線維組織が壊れると、水分と線維が分離してしまいます。この時にできた線維のかたまりが網膜に映り、飛蚊症となって視界の中に表れるというわけです。これは、主に「生理的飛蚊症」と言って、治療する薬はありません。完全に消えることは無いのですが、慣れてくるとその存在に気が付かなくなります。近視が強い人は10歳代、20歳代から表れることもあります。
 ただし、まれに大きな病気の症状の一つとして飛蚊症があらわれることもあるため注意が必要です。網膜に穴が開いてしまう「網膜裂孔」、網膜がはがれてしまう「網膜はく離」、糖尿病や高血圧が原因の「眼底出血」などで、飛蚊症があらわれることがあります。
 「これって飛蚊症かな?」と気になる方はそのままにせず、他の病気のチェックもかねて、一度検診を受けてみるとよいでしょう。お気軽にスタッフまでご相談下さい!