目のちしき箱

オルソケラトロジー

αーオルソK 3年間の使用成績調査

2009年4月「角膜矯正用コンタクトレンズ(オルソケラトロジーレンズ)」として「αオルソーK、アルファーコーポレーション」が日本で初めて許可されました。その際、厚生労働省より3年間の使用成績調査が条件付けられました。
その結果が「日本コンタクトレンズ学会誌」(56:276-284,2014)に公表されました。

対象者:69例136眼

年齢:7〜48歳(21.3 +/- 11.6歳)
    20歳以上の成年  32例(34.0+/-7.6歳)
    20歳以下の未成年 37例(12.4+/-3.1歳)

視力の経過:裸眼視力は治療開始前の平均0.15、装用1日後から有意に変化し、約2週間後に安定した平均視力0.8が得られた。1ヶ月後には1.5に改善され、その後安定した。

不具合症例:13例18眼に見られたがいずれも治癒しオルソケラトロジーレンズ装用を再開した。
    角膜上皮ステイニング 成年4眼、未成年6眼、合計10眼
    眼球結膜充血 成年2眼
    上眼瞼結膜乳頭増殖 成年2眼
    左右入れ違い 未成年 2眼
    角膜浸潤 未成年 1眼
    麦粒腫 未成年 1眼

脱落例:10例
    定期的来院困難 成年2例、未成年1例、合計3例
    見え方に満足が得られない 成年2例、未成年1例、合計3例
    オルソケラトロジー矯正のみでは仕事に不便 成年2例
    自動車の運転に支障がある 成年1例
    患者の治療中止要望があった 成年1例
  15歳未満の25例に脱落の報告はなかった。

現在、「オルソケラトロジー ガイドライン」では20歳以上への適応が推奨されているが、約6割が未成年者への処方であった。3年間の使用成績調査結果は有効性、安全性共に良好であり、未成年者の結果は成年と遜色ないものであった。

オルソケラトロジの未成年者での安全性に関する報告がありました

ひらばり眼科ではオルソケラトロジーレンズを2001年から処方しています。この頃はまだ日本のメーカーからは製品が発売されていないため、アメリカから輸入していました。

2009年4月 日本初のオルソケラトロジーレンズ認可

株式会社アルファコーポレーションはオルソケラトロジー用レンズ「αオルソ-K」の認可を日本で初めて取得。さらにマイエメラルド、ブレスオーコレクト(ナイトレンズ)の認可が続きました。

 現在ひらばり眼科では、「αオルソ-K」、「マイエメラルド」、「ブレスオーコレクト(ナイトレンズ)」の3種類のオルソケラトロジーレンズを採用しています。

 

 

emerald

 

 

 

BOcorec

 

 

 

 

オルソケラトロジーレンズが認可され、2009年4月に日本コンタクトレンズ学会により「オルソケラトロジーガイドライン」も策定されました。

ただ、まだ小児に関する十分なデータがないため、適応年齢に関しては、「患者本人の十分な判断と同意を求めることが可能で,親権者の関与を必要としないという趣旨から20歳以上とする.」とされました。このため小児に対しては医師の裁量の元に慎重に処方されています。

オルソケラトロジーでは小児の近視進行を少なくするという点で、東アジアの各国においては成人よりも小児に対する利用が多くなっています。この点からも日本での小児のデータの収集が期待されています。

 

20014年11月、日本臨床眼科学会で「オルソケラトロジーガイドライン改定に向けた未成年者多他施設共同臨床研究中間報告」が発表されました。

以下引用

 オルソケラトロジーガイドライン改定に向けた未成年者多他施設共同臨床研究中間報告

京都府医大、慶応大学、愛媛大

『目的』オルソケラトロジーガイドライン改定にむけ近視及び近視性乱視の未成年者を対象に、角膜矯正用コンタクトレンズ「ブレスオーコレクト」を就寝時装用させ、脱後の裸眼視力を改善させる「オルソケラトロジー療法」に関する安全性及び有効性を確認する。

『対象と方法』対象は6歳から16歳、球面度数 -1.00D〜-4.00D、乱視度数の1/2以下の近視症例において、両親のいずれかがハードコンタクトレンスを管理でき、成人代諾者の文書による同意が得られる患者とした。目標登録患者数は45名90眼、各症例の治療期間は1年とし、定期的に検診を行い、細隙灯顕微鏡検査、他覚的屈折検査、自覚的屈折検査、角膜形状検査、角膜内皮細胞検査、角膜厚検査、眼圧測定、眼軸長検査などの検査を行い安全性と有効性を確認した。

『結果』我々の施設にて処方し評価中の対象患者14名28眼において、4週後の裸眼視力は装用開始前の平均値0.13から1.20へと有意に改善した。また角膜上皮ステイニングは4名にみられたが、ごく軽度で、いずれも治癒しその後装用を再開した。その他の副作用は認めていない。

『結論』現時点の評価結果は有効性、安全性共に良好であり、未成年者への装用は成人と比べても差はないと考える。