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ひらばリンク(eyeのプチ診療室)

子どもの近視抑制

 さて、今回は子どもの近視を抑制する方法についてお話したいと思います。
 今やどの家庭にもスマートフォンや携帯ゲーム機などがあるのではないでしょうか。小さいころから手元を凝視することが増え、遠くがぼやけて見える近視の人口はますます増えています。
 近視は、進行してしまうと残念ながら元には戻りません。見えにくさに対してメガネやコンタクトレンズを処方しているだけでした。他にも眼科では、目の緊張を和らげたりする目薬を処方しますが、近視の抑制に十分な効果があるとは言えません。そのような中、ある目薬が注目を集めています。「低濃度アトロピン」と呼ばれるもので、近視の抑制に明らかな効果が認められた目薬です。
 アトロピンとは、眼科で使われる検査用の目薬です。ピントを合わせる力(調節力)を麻痺させる作用があり、弱視や斜視の検査に使われます。実は近視の進行を抑える効果があることも知られていましたが、瞳を開く(散瞳)効果もあり、まぶしさや見えにくさがあらわれるため、近視の進行予防としては処方することができませんでした。ところが、ここ数年の研究で、アトロピンの濃度を薄めることで、調節力麻痺や散瞳効果を抑えながら近視進行予防の効果を残すことができました。これが「低濃度アトロピン」と呼ばれるもので、0.01%に薄めています。
 近い将来、この低濃度アトロピンでの近視抑制治療が一般的になるのでは、とも考えられており、国内の大学病院でも臨床治療を開始しています。海外では既に使われていて、現在までに副作用の報告などもないため、当院でも始めることにしました。眼病予防もかねて、しっかりと管理しながら進めていきますのでご安心くださいね。

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