飛蚊症に潜む危険な病 飛蚊症と網膜疾患 精密な検査と高度な治療

網膜は約0.2ミリのうすい膜で、よくカメラのフィルムに例えられます。網膜には視細胞(光を感じるセンサー)があり、ここに焦点を合わせることで、視神経から脳へと情報が伝えられます。しかし、網膜の毛細血管が切れて出血したり、はがれたりすると、栄養がゆきわたらなくなり、光に対する感度が鈍くなります。その結果、見づらい、視界が欠けるなど障害が起こります。とはいえ、目に痛みを伴うことがないため、気づかないうちに病気が進行していきます。

網膜はいったん機能を失うと再生できません。しかし疾患によっては、効果的な治療薬も出てきており、早期発見・早期治療が重要です。また、眼底検査など目の健康状態を定期的に把握しておくと安心です。

飛蚊症とは

明るい所や白い壁などを見つめると、虫や糸くずのような浮遊物が視界に見える症状のこと。加齢などに伴う生理的な飛蚊症と、病的な飛蚊症があります。

①生理的飛蚊症

健康な状態でも発生します。硝子体が酸化することによって濁ったり、硝子体を包んでいる膜がはがれたりして(後部硝子体剥離)影が映るもの。強度近視の場合は小中高校生と早い時期から発生し、また加齢に伴って現れることもあります。いずれも生理的な現象なので特に心配はいりません。ただし、膜がきれいにはがれ落ちず黄斑部に残ってしまうと、黄斑上膜を引き起こすこともあるため、半年〜1年ごとに検査を行い、注意深く見守っていきます。

②病的な飛蚊症

飛蚊症の症状が急に現れたり、以前は見えていた浮遊物の数や形に変化が出たり、視界に異変を感じた場合は、網膜剥離、眼底出血などが考えられます。特に網膜剥離は緊急手術を要するケースもあるので、早めに受診して対処することが大切です。

網膜の検査

眼内のCTスキャンともいえる網膜断層解析装置(OCT)を使い、10ミクロン以下という高解像度で、網膜深層部の病変を断層画像で捉え、黄斑部疾患や緑内障を含む網膜疾患を検出します。 瞳孔を開く「散瞳検査」では、点眼してから瞳孔が開くまで1時間ほどかかるため、余裕を持って来院してください。また検査後5〜6時間は、まぶしさ、見づらさが続くため、車の運転は避けてください。

ひらばり眼科の強み

経験豊富な視能訓練士が、OCTなどを駆使して徹底的に検査を行ったデータをもとに、院長が診察します。高度な手術を要する場合、治療法の判断が困難を極める場合は、国内や海外から手術の依頼を受け、学会でも注目の眼科スペシャリスト大島佑介先生に担当していただきます。大島先生は網膜硝子体手術などでも高い実績を誇る名医で、安心して診断・手術を受けていただけます。

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飛蚊症を伴う網膜症

眼底出血(硝子体出血)

眼球の奥の部分(眼底)が出血する症状で、本人が鏡を見て確認することはできません。最も多いのは網膜静脈分枝閉塞症で、眼底を通っている静脈に血栓ができ、血液が網膜に出てくるものです。きちんと治療すれば失明には至りませんが、対処が遅れると著しく視力を低下させ、最悪の場合は失明することもあります。また出血が広範囲に及ぶと、眼圧を上昇させ、緑内障を伴うこともあります。

網膜剥離

神経網膜がはがれ、硝子体のなかに浮き上がってしまう病気です。放置しておくと網膜に栄養がゆきわたらず、光に対する感度が鈍くなったり、見づらくなったり、視界が欠けるなどの症状が現れ、視力回復が難しくなります。

治療

生じた裂孔をふさぎ、網膜下の液を排出します。孔をふさぐ方法として、レーザー光を照射して周囲を固める光凝固や、電気で焼いたり冷凍凝固で凍らせたりする手術を行います。

変視症を伴う網膜症

加齢黄斑変性症

加齢とともに、網膜の中心である黄斑部に異常をきたす疾患です。視界の中心がかけて見えない、線がゆがんで見えるといった方は、この病気の可能性があります。

治療

患部が中心から離れていれば網膜光凝固ができますが、中心に及んでいる場合は特殊なレーザーを照射して治療します。

黄斑上膜

はがれた硝子体の一部が、網膜の中心(黄斑)に残ってしまう症状です。そのまま支障がなければ良いのですが、残った膜が網膜に悪影響を及ぼし、まれに視力の低下やモノが歪んで見えることがあります。治療は手術のみとなりますが、進行はとても緩やかなので、手術が必要かどうかも含めて、数年かけて様子を見ていきます。

黄斑円孔

黄斑部に穴が開いてしまう病気です。黄斑部は視力を司る重要な部分のため、緊急手術が必要となります。

中心性漿液性脈絡網膜症

黄斑部に網膜剥離が発生する病気で、30〜50代の働き盛りの男性に多く見られます。視野の中心が暗く見える、ものがゆがんで見えるなどの症状が起こりますが、ほとんど自然に治ります。

その他の網膜症

糖尿病網膜症

糖尿病の合併症のひとつで、失明原因の第1位を占めます。網膜は細かい血管(毛細血管)が集中しているので高血糖の影響を受けやすく、新生血管が伸びて血管が詰まったり、破れて眼底出血を起こしたりします。また、網膜剥離を引き起こします。

治療

治療は血糖コントロールと網膜光凝固による進行の抑制です。 まずは、血糖のコントロールを行って血液や血管の状態を改善することが基本となります。伸びてくる新生血管や破れた網膜の穴には、レーザーを照射する光凝固を行います。病気が硝子体にまで進んでいたり、網膜剥離を起こしたりしている場合は、硝子体手術を行います。

近視性中心窩分離症

かなり近視の進んだ人に起こりやすい病気です。近視によって眼軸が伸びて、網膜を引っ張る力が働き、次第に網膜剥離が起こること。黄斑円孔へと発展する前に、手術で網膜をはがすことが重要です。

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