知らないうちに視野が欠けていく病気 緑内障とは

緑内障ってどんな病気?

正常な眼球は、風船のように一定の圧力(眼圧)で保たれています。また、目の奥には片目で約100万本の線維からなる視神経があり、見たものを脳に伝える大切な役目を担っています。
緑内障とは、この視神経が障害されることで、視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったりする病気です。多くは10〜15年という長い時間をかけてゆっくりと進行します。神経線維が約30%減少してようやく視野に異常が現れるとされますが、この段階ではまだ本人は気づきません。さらに病気が進行してから、ようやく症状を自覚する、いわば「沈黙の眼病」です。そして、一度欠けてしまった視野は、たとえ治療や手術をしても、元の状態には戻りません。

なぜ症状を自覚しづらいの?

人が普段、ものを見るとき、見たいものにピントは合っていますが、周辺の視野はぼけています。こうした目の特性によって、たとえ緑内障が原因で視野が狭くなったり部分的に見えづらくなっていても、なかなか自覚しづらいものです。また、片方の目の視野が欠けていっても、無意識にもう片方の目で補うため、視野の欠けが中心に及ぶまで気づかないケースも少なくありません。
しかし、緑内障の場合、運転中に脇道の歩行者を見過ごしてしまうなど、危険性は高まっていくので、定期的に眼科健診を受けることが大切です。

40歳以上の20人に1人が緑内障、しかし8割以上は未治療

緑内障にかかっている方の割合は、40歳以上では20人に1人といわれます。加齢による神経の衰えによって、高齢の方ほど緑内障の割合も高く、70歳以上では10人に1人と、とても身近な病気です。
急性の緑内障以外は、ほとんど自覚症状がなく、気づかない間に進行します。緑内障にかかっても、8割以上の方は自覚症状がなく、未治療とされています。また検査で引っかかり、眼科を受診される方のなかで、現状を把握している方はほとんどいません。だからこそ、40歳を超えたら年に1度は眼科健診を受け、早期発見、早期治療を心がけることがとても大切です。

<緑内障になりやすい方>

  • 強度の近視がある
  • 遠視がある
  • 親、兄弟に緑内障の人がいる
  • 眼圧が高い
  • 40歳以上

眼圧が正常であっても緑内障?

以前は、眼圧が高いと緑内障になるといわれていました。しかし最近では、眼圧が正常といわれる数値(21mmHg以下)であっても、人によっては、もともと視神経が弱く、緑内障になることが分かっています。これを「正常眼圧緑内障」と呼び、日本人の緑内障の約7割りを占めます。
「正常眼圧緑内障」は、進行していくと、目の中心に近い部分の視野が欠けていくため、日常生活に大きな影響を及ぼします。その一方で、早期発見が非常に難しいため、定期的な検査を受けることが治療の一番の近道です。

緑内障の種類

一口に緑内障といっても、発症のしかたや原因は異なります。どの種類に当てはまるのかを見極め、適切な治療を行うことが重要です。

1. 正常眼圧緑内障
眼圧が正常範囲(10〜21mmHg)にも関わらず緑内障になる人がいます。これを正常眼圧緑内障と呼び、日本人の緑内障の約半数がこのタイプです。
2. 開放隅角緑内障
房水(目の中で循環している透明な血液)の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇してゆくために、ゆっくりと病気が進行してゆく慢性緑内障です。
3. 閉塞隅角緑内障
目の隅角が狭くなり、房水の流れが妨げられて眼圧が上昇します。突然に眼と頭が痛くなり、急に見えにくくなる病気です。一般に女性(男性の3倍)に多いとされ、遠視の人に起こりやすいと言われています。
4. 続発性緑内障
糖尿病、目の炎症、外傷、角膜の病気、網膜剥離などの目の病気による眼圧上昇や、ステロイドホルモン剤などの薬により眼圧が上昇し引き起こされる緑内障です。
5. 発達緑内障
生まれつき隅角が未発達であることからおこる緑内障です。
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