緑内障治療に対する考え方
当院の緑内障治療に対する考え方
緑内障専門医と共同で診察します
早期から末期にわたって細やかに
緑内障によって受けた眼の障害は元に戻らないことから、特に早期発見と早期治療が大事です。早期発見のポイントは、視神経乳頭と網膜神経線維層の観察にあります。これをしっかり行うためには、際隙灯顕微鏡や非接触式の前置きレンズを使って視神経乳頭や網膜を綿密に観察します(これらの検査では多少のまぶしさを伴うものの、検査機器が直接眼に触れることはないために痛みはありません)。しかし、これらの検査を行っても極早期や視野異常が始まりだした早期の緑内障で起こっているわずかな視神経の死滅はなかなか見つけにくく、また正常と異常との区別が非常に難しいものです。そのため、判断の難しいケースに対しては緑内障専門医と共同で診察を行い、診断の精度を高めるようにしています。また、末期に移行する前の中間の時期は、丹念に眼圧を測り、視神経を観察し、視神経の機能状態から眼圧の目標値を定め、薬の種類・量を決めることを繰り返しながら病状のコントロールを図ります。そして症状が進んだ末期と呼ばれる状態では、手術適応やその時期についての判断が難しくなります。いずれの場合も、患者さんと話し合い、病気の理解を得ながら診療を進めていきます。
通常緑内障では薬物療法が基本で、手術が第一選択とされるのは、隅角閉塞緑内障に行う周辺虹彩切除術と、レーザー虹彩切開術、発達緑内障に行う隅角切開と線維柱帯切開術です。現在一番多く行われている線維柱帯切除術などは薬物療法、レーザー治療の効果が不十分で緑内障の進行を止められない時に行われます。線維柱帯切除術は手術創の治癒反応により眼圧が再上昇するケースが多いため、創傷治癒過程をコントロールする目的でMMC(マイトマイシンC)が使われるようになりました。これにより手術成績は向上しましたが、術後眼内炎や房水漏出などコントロールが難しい合併症が多くなってきました。手術の教科書では手術方法を述べた部分が4ページに対し術後管理、合併症管理の部分が9ページにわたり述べられている本もあります。このことからも、緑内障手術における術後管理の大切さと難しさが推し量れることでしょう。そしてその背景には、緑内障手術の安全で長期間効果が続く術式がまだ確立されていない現状があるのです。このために緑内障では、薬物療法が基本でこれに一部レーザーを組み合わせた治療が進められています。薬物療法が限界に達したら手術を考えます。
当院では、早期の塞隅角緑内障にたいするレーザー虹彩切開術、周辺虹彩切除術、そして薬物療法での眼圧コントロールが効かなくなった際の水晶体摘出術と合わせた隅角癒着解離術などに通院で対応しています。しかし患者さんにとって入院手術が必要と判断した場合には、ご本人と話し合いながら速やかに緑内障の専門治療の経験が豊富な提携病院をご紹介しています。
これらはすべて患者さんと私どもとの対話から始まります。どんなささやかな疑問や不安も遠慮なくこちらに投げかけてください。私たちは患者さんとともに考え、そして分りやすい説明でお応えします。
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