治療法について
一人ひとりに合った治療を選択するために
緑内障治療の選択肢
緑内障治療の目標は、眼圧を視神経がそれ以上障害を受けない程度まで下げ、病気の進行を止めることです。房水の作られる量と排出される量のバランスをコントロールし、その人にあった眼圧を維持します。緑内障の治療には次の3つがあります。
(点眼・内服・点滴)
(レーザー虹彩切開術・レーザー繊維柱帯形成術・レーザー毛様帯破壊術)
(繊維柱帯切除術・繊維柱帯切開術・虹彩切除術・隅角癒着解離術・インプラント手術・毛様帯破壊術)
これらの治療法は、緑内障のタイプ、眼圧の程度、視野の状態、病状の進行具合、ライフスタイルなどに応じて選択していきます。一度欠けてしまった視野や低下した視力を元に戻すことはできませんが、これらの治療によって眼圧を下げ、その状態を維持し、進行を食い止めることができます。そのため薬物療法や手術後の経過観察等は、生涯継続することが必要です。
| 「今後の発展と実績を待つ緑内障のインプラント手術」 |
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| 房水の排出を導く装置を眼内に固定するインプラントと呼ばれる治療方法は、残念ながら今のところ長期にわたって有効な製品がありません。現在では、一部の緑内障末期の患者さんに試みられている状態です。また、まだ日本では厚生労働省の認可が下りていないこともあって、使用は難しい状況です。しかし、今後インプラントの発展と実績が積まれることで、患者さんの緑内障治療の選択肢は広がるでしょう。 |
レーザー治療と外科的手術の違い
レーザー治療はメスに変わってレーザー光を用いるために、眼球を切開しないで治療が行えます。そのために一部のレーザー治療を除いては出血やそれに伴う合併症を避けることができ、患者さんへの負担が軽いのです。レーザー虹彩切開術やレーザー繊維柱帯形成術の施術時間はおよそ5分程度で、入院や術後の安静の必要はなく、患者さんは自力で帰宅できて手術当日の入浴もできます。
一方、外科的手術や毛様体を破壊して房水の産生を抑えるレーザー毛様帯破壊術のように一部のレーザー治療では、入院を必要とします。
レーザー治療の流れ
- 【治療1時間前】
レーザー治療を行いやすい状態にするための点眼と、術後の一過性眼圧上昇を予防するための点眼を行う。(1〜2%ピロカルピン、アプラクロニジン) - 【点眼麻酔を行う】
- 【レーザー治療施行】
- 【治療1〜3時間後】
眼圧測定を行い、一過性眼圧上昇の有無を確認。(眼圧の状態によって薬物治療) - 【帰宅】
安静の必要は特になく、治療当日の入浴や洗顔も可能。
外科的手術を受けるタイミング
- 【慢性緑内障(原発開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障等)の場合】
薬物による眼圧低下が見られない、もしくは眼圧が下がっても視野狭窄の進行が止まらない場合。 - 【閉塞隅角緑内障緑の場合】
レーザー虹彩切開術後に緑内障が慢性化し、薬物を用いても眼圧が下がらない場合。
緑内障治療では、原則的にまず薬物治療を行い、薬物治療の効果が得られなければレーザー治療、さらに外科的手術へと進んでいきます。
緑内障における外科的手術の種類
外科的手術は、目的別に次の3つがあります。
- 房水の排出を促すための手術
(繊維柱体切除術・繊維柱体切開術・隅角癒着解離術・インプラント手術) - 房水の産生を抑えるための手術
((レーザー)毛様帯破壊術) - 急性緑内障発作の減ともなる瞳孔ブロックを解除する手術
(虹彩切除術)
外科的手術の適用については、緑内障のタイプ、進行度合い、年齢、その患者さんのライフスタイルのあり方等を総合的に判断して決めます。なお、緑内障の手術は、あくまでも眼圧を下げて病気の進行を食い止めるためのものです。一度低下した視力や視野が回復するものではないことを理解して臨むことが必要です。
外科的手術の経過
緑内障の手術における入院期間や術後の観察期間は、手術内容や患者さん一人ひとりの状態によって変わってきますが、おおよそ1〜2週間の入院期間を必要とします。特に開放性隅角緑内障に対して行う繊維柱帯切除術は、眼球壁に孔を開けてバイパスを作るために、感染予防を含めた術後管理がとても重要です。また、繊維柱帯切開術では、術後に眼圧が上昇することがあるので、経過観察が2〜3ヶ月必要となることがあります。
手術に伴うリスクと注意点にはどのようなことがありますか
レーザー治療を含めた手術には、それぞれの手術の特徴によって次のように注意すべきことがあります。
- 【レーザー虹彩切開術】
治療後、一時的に眼圧が上昇することがあり、術前後に予防薬(アプラクロニジン)を投与。また、虹彩炎を起こしますが数日で解消します。また、内皮細胞の減少によって水疱性角膜症を起こすことも報告されています。 - 【レーザー繊維柱帯形成術】
術後年数の経過に伴い眼圧上昇。 - 【繊維柱帯切除術】
強膜の再癒着、細菌感染、コンタクトレンズ不適合。 - 【繊維柱帯切開術】
術後の一時的な眼圧が上昇。手術による眼球内(前房)に出血による視力の一時的低下 - 【インプラント手術】
インプラントに対する周辺組織への障害や異物反応、眼圧の過低下、インプラントしたチューブの目詰まり。
いずれの場合にも術前・術後の適切なケアと、術後の定期検査による経過観察によって合併症の予防と早期発見が可能です。
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